読書

【書評】『鈍感な世界に生きる敏感な人たち』について、どれくらい理解されてる?

「せっかくのパーティーなのに、なんであの人は隅のほうにいるんだろう?なんで二次会に行かないんだろう?」

誰かに対してそう思ったことがある人も多いと思う。

もちろん、パーティー自体が苦手な人もいるだろう。

でも、その人達が「本当はもっと色んな人と話したり、二次会に参加したりしたいのに出来ない」という可能性が頭に浮かんだことがあるだろうか?

私は、他の人が普通に出来ていることが出来ないことに苦しんでいた。

例えば、小さい頃、つらいことがあった時に母から

「私の子がそんな繊細な訳がないんだから、か弱い人みたいなことを言うな」「色々気にしすぎてきもい」「そんなことで泣いてるの?めんどくさいから早く泣き止んで」

と言われ、自分の心が弱いのがいけないんだと自分を攻めてきた。

また、大勢での議論や飲み会に参加しているとすぐ疲れてしまい、他の人が始終エネルギッシュにしているのを羨ましく思っていた。

これらの体験がかなり根深いトラウマになっていたことに最近気づく。

『鈍感な世界に生きる敏感な人たちーHighly Sensitive Personー』(イルセ・サン著)という本は、そんな心苦しさに寄り添ってくれるような一冊だ。

初めて本屋さんで見かけた時から、ずっと心に引っかかっていた本著。

  • 痛みを感じやすい
  • 1人になって休憩する時間がないまま他人とずっと2,3時間以上も一緒にいなくてはならないと、疲れ果ててしまうことがよくある
  • すぐにびっくりしてしまう
    (本著p.2-5, 「HSP自己診断テスト」より引用)

冒頭の「HSP自己診断テスト」の部分を読みながら、今まで感じた生きづらさの一部に名前が与えられ、すでにその半分が解消されたような気持ちになった。

そして読み進めるうちに、自分みたいな人が他にもたくさんいると知って、気持ちが本当に軽くなった。

今年一番出会えて良かったと思う本著、『鈍感な世界に生きる敏感な人たちーHighly Sensitive Personー』(イルセ・サン著)について考え、HSPの一人の声としてブログを書き、他のHSPの人たちと気持ちを分かち合えたらと思う。

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5人に1人と言われているHSP(とても敏感な人)ってどんな人?

HSP(Highly Sensitive Person)は内向的?

HSPは病気ではなく、生まれ持った気質の一つで、1996年にアメリカの心理学者エレイン・アーロンによって提唱された概念だそう。(本文 p.28)

本文中では、エレインによる実験の概要と成果が紹介されている。

中でも印象的だったのが、「今の社会では〜〜外交的でタフな人たちのほうが、『健康で価値がある』と見なされる傾向にあります(p.29)」という箇所と「良好な環境下であれば、高い能力を発揮できる(p.31)」という箇所。

今までHSPや内向的性質はマイナスイメージが持たれ、不当な評価のもと肩身の狭い思いをしてきたという。

小学生の頃、休み時間ごとに大人数でスポーツをしている男の子たちはモテていたけど、スポーツもそこそこに一人で読書している男の子もイケてるよね?っていう会話に共感してくれた人は少数だった。

子供だと特に、この「外交的バイアス」が働いていて、内向的・HSPの人たちを窮屈にさせているのではないかと感じる。

また、自分が高いパフォーマンスを発揮できる環境・場面を知っておくことも不可欠だ。

私はHSPな上に体力も少ないため、接客業のバイトを長時間休憩も少なく行うことが、フィジカル的にもメンタル的にもつらい。

一方、現在続けている塾講師のアルバイトは、授業と授業の合間に休憩ができ、授業中も基本座ったまま勤務できるので、生徒の指導に集中しやすい。

HSPの能力

  1. 一度に多くの情報を吸収できる
  2. 音や匂いなどの微細な違いも察知できる
  3. 想像力が豊かで、内的生活が充実している

上記は、本文第1章にて取り上げられているHSPの能力の一部で、中でも実感に近かったり印象的なものを3つ取り上げた。

それぞれの特徴はそれぞれ一長一短である。

①「一度に多くの情報を吸収できる」

これは、人よりも多くの情報を吸収するが故に、脳みそのキャパシティがすぐにオーバーしてしまう、という短所を兼ね備えている。

このことがプラスに働くのは、芸術鑑賞や自然鑑賞の場面など、右脳的活動を実践する時のようだ。

おうち大好き芸人がこの能力(特徴)を活かすためには、もう少しフッ軽を目指すべきなのかもしれない。

②「音や匂いなどの微細な違いも察知できる」

私はタバコの匂いとドアのノック音に対して本当にセンシティブだ。

このように五感で感じる環境も、心の余裕やパフォーマンスに影響するそうだ。

バイト先でも、喫煙所の掃除やそこに近いスペースでの作業中に、2回ほど大きなミスをしたことがあるのも、もしかしたらかなり影響を受けていたのかもしれない。

一方、私は香水が大好きで、友達の香水の種類を当てたりするくらいには違いにも敏感な方だ。

そのため、香水を扱うバイトをしていた時は、香りの選別から説明まで、楽しんで行うことが出来ていた。

③「想像力が豊かで、内的生活が充実している」

これは、一人でいる時に退屈さを全く感じないという長所がある。

一人で5時間くらい平気でカフェにいたり、休日のうち1日は予定を入れなかったりと、自分自身で楽しもうとする傾向が強いのかもしれない。

その一方でインスピレーションが湧いてくると、今までやっていた作業をそっちのけで新しいことを始めてしまうし、夜に考え始めると、2−3時間寝れないということもザラにある。

本著のp.61で紹介されていた、「22時以降にインスピレーションを刺激しそうなものを見ない」というアイデアは積極的に取り入れたいと思う。

「鈍感な人たち」とも「敏感な自分」上手に付き合うには?

「鈍感な人たち」と上手に付き合うTIPS

  1. 周囲の人に、自分がHSPであることを伝える
  2. 自分の限界や、休憩・散会の時間を伝える
  3. HSPの理解者をパートナーに選ぶ

ここでも、本文第3章では11こ紹介されている方法の中から大事そうな3−4つを選びました!

①「周囲の人に、自分がHSPであることを伝える」

これはもう、私自身はこのブログで叶った気がします。笑

ただ大切なのは、「私はHSPです」と直接言うことでなく、②のように「何が出来て何が苦手か」、「何分くらいで休憩が必要か」など具体的に伝えることが大切だそう。

②「自分の限界や、休憩・散会の時間を伝える」

そして、①のためには、自分の限界について自分自身が一番知っている必要がある。

HSPであるとわかっているからこそ、対策の方向性も考えやすくなるのではないか。

③「HSPの理解者をパートナーに選ぶ」

これはもう本当に大切なことで、誰かと一緒に暮らすことになっても自分一人の時間は絶対にある程度確保したいということを、彼氏には何回も言っています。笑

本文中に掲載されているHSP同士のご夫婦の過ごし方が、個人的にはとても素敵だと感じました。

「敏感な自分」と上手に付き合うTIPS

  1. HSPの能力を楽しむ機会を作る
  2. 五感から過度に刺激を受けないための対策をとる
  3. 自分らしくいることの喜びを感じる

本文では全部で8つのTIPSが紹介されているが、その中でも3つを取り上げる。

①「HSPの能力を楽しむ機会を作る」

これが、いま一番私に足りてないことかついま一番するべきことな気がした。

マインドフルネスとかヨガとかが今流行っているけど、実はそれはHSPである人にとっては特に有効かもしれないそう。

私は中でもヨガなどのエクササイズ関連とクラシック鑑賞や毎日の日記などのアート・自己実現関連の活動にフォーカスしようと思った。

②「五感から過度に刺激を受けないための対策をとる」

自己管理の一環として、過度に五感を刺激されて体力を消耗することはかなり有効だと感じた。

サングラスやイヤホンだけでなく、マスクや傘も十分刺激予防になるだろう。

なんでこんな簡単なことに気づかなかったんだろう…笑

③「自分らしくいることの喜びを感じる」

最後は本当に間違いなくこれ!!

人と違うということについては正直しょうがないから、自分の気持ちや感覚を抑圧するのではなく、良い方向へ導いていけるとよいなと感じた。

マイノリティについて

気になったこと

本著では、今までマイナスイメージが持たれてきたHSPのポジティブな側面に着目ている一方で、非HSPの人のことを「鈍感な人」と表記している。

ネーミング(翻訳)によって逆に非HSPの人たちにネガティブなイメージを植え付けかねない点で、この表記のされ方には改善の余地があると思う。

(そもそも「敏感」の対義語が「鈍感」であるから、しょうがないのかもしれないが。)

日本で暮らしていると、自分がマイノリティであると感じる機会はめったにない。

でも、何かにおいてマジョリティな人は、また別の何かにおいてはマイノリティである。

普段マジョリティ側であるからこそ、自分の考えでは理解しきれない他者の言動に対しても、「何か別の理由があるのではないか?」と思考をめぐせることを止めないようにしようと感じた。

これは、最近身近な人が重度なうつ状態にあったのに気づけなかったことや、場面緘黙症の疑いがある生徒の態度を最初からやる気がないと決めつけてしまったことへの反省からも感じるところだ。

まとめ

今回の記事を通して、世の中にはそんな人もいるんだな〜と思ってもらえるきっかけになればうれしいし、自分以外にも似たようなことで悩んでいる人がいると勇気づけられる人がいればもっとうれしいです!!

リンクのシェアも、HSPについての理解を広める一助になります。

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